研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
園山 亘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (40325121)
大野 充昭 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60613156)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究概要 |
1.in vitroでのスタチンの歯髄幹綱胞における作用機序の検討 スタチンはメバロン酸経路の上流にあるHMG-CoA還元酵素を抑制しコレステロール産生の抑制することが報告されている。歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell : DPSC)でも同様の作用機序であるか検討するため,HMG-CoAの下流に位置するメバロン酸を用いた。培地にスタチン1μMとメバロン酸1mMの濃度で同時に添加し,MTS法で細胞増殖に与える影響を検討した。その結果,5日目にスタチン単独での細胞増殖抑制効果が消失していることを確認した。 またスタチンはメバロン酸経路の中間産物の抑制により,Rho経路を介し細胞周期をG1/S期で停止させることが報告されている。そこで細胞周期に与える影響を検討するため,スタチン1μM添加し3日間培養したDPSCをPIにて染色後,FACSを用い解析を行った。その結果,G0/G1期への集積像およびG2/M期ピークの減弱が観察された。以上の結果よりDPSCにおけるスタチンの作用はメバロン酸-Rho経路を介していることが示唆された。 2,イヌを用いた覆髄モデルの作製 本研究の臨床モデルは,歯髄に近接したカリエスが考えられる。そこで本研究ではビーグル犬(1歳齢)の犬歯を用い覆髄モデルを作製した。歯の遠心面がら近心に向け歯科用5倍速エンジンで窩洞の形成を行い,通常の歯科用覆髄剤を用い覆髄処置を行い,歯科用セメントを用い窩洞の充填を行った。1か月後に組織を回収し,通法に従い組織標本を作製した。その結果,安定して歯髄に近接した窩洞を形成できていることが確認された。 次に,このイヌ覆髄モデルを用い,スタチンの象牙質形成効果を検討した。つまり,スタチン2mMならびにPBSを各10μlを含むコラーゲンスポンジを覆髄剤として窩洞内に設置し,歯科用セメントにて充填した。1か月後に組織を回収し,組織標本を作製しHE染色を行なった結果,2mMのスタチンに有意な象牙質形成促進作用は認められなかった。
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