配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
GRIM-19 (the Genes-associated with Retinoid-Interferon induced Mortality)は,インターフェロンss (IFN-ss)とレチノイン酸(RA) の共刺激により誘導される分子量19 kDaのアポトーシス実行因子である.GRIM-19は,EGFなどの成長因子のシグナル伝達に関与する転写因子STAT3 (Signal Transducer and Activator of Transcription 3) と結合し,STAT3依存性の遺伝子発現を抑制することにより癌細胞の増殖を抑制し,アポトーシスを誘導する. 口腔癌におけるGRIM-19の発現,ならびにその機能的役割については不明な点が多いことから本研究課題では口腔扁平上皮癌におけるGRIM-19の発現制御について検討を行い,以下の知見が得られた. (1)口腔扁平上皮癌細胞株におけるGRIM-19のタンパク質発現をウエスタンブロット法にて検討した結果,IFN-ss およびRAの共刺激によりCa9-22細胞ではGRIM-19の発現が誘導されたが,HSC-2細胞ではその発現誘導は認められなかった. (2) GRIM-19のmRNAをリアルタイムPCRにて検討した結果,どちらの細胞においても構成的なGRIM-19のmRNA発現が認められた.しかしこの構成的なmRNA発現はIFN-ss,RAの共刺激により,いずれの細胞においても発現増強は認められなかった. (3) 一方,IFN-β誘導性遺伝子であるCXCL11,TRAIL の発現はいずれの細胞株でも認められたことから,IFN-ss のシグナル伝達経路の異常でないことが示唆された.これらの結果から,口腔扁平上皮癌細胞においてGRIM-19 の発現制御が遺伝子の転写レベルでなく,翻訳レベル,あるいは翻訳後レベルで制御されている可能性が示唆された.
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