研究概要 |
不正咬合が心理的ストレスになることや,心理的ストレスが自律神経バランスの異常を起こすことが報告されている。しかし,不正咬合が自律神経バランスにも悪影響を及ぼすか否かは不明である。そこで,本研究の目的は,不正咬合が自律神経バランスに及ぼす影響を明らかにすることである。矯正治療前に研究への参加に同意を得られた51名のデータを採取した。矯正治療後には咀嚼能力が上昇し、副交感神経の指標であるSDNN(NN間隔標準偏差値)が上昇,交感神経活動の指標であるLn(LF/HF)が減少し,副交感神経活動の指標であるHF(n.u.)(HFを標準化したデータ)が上昇する傾向があった。咀嚼能力が向上すると,ストレスの改善が示唆された。
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