研究概要 |
高齢者の寝たきり者や認知症者の口腔ケアの現状について,文献検討を行い,事例検討を行った結果から口腔ケアのプロトコールを検討した.アクションリサーチの手法も取り入れながら事例を収集した.近年,終末期に多くみられる口腔乾燥は口腔用保湿剤の普及により極度の口腔乾燥は減少傾向である.しかし,消化器系の悪性腫瘍の終末期などは出血傾向,易感染による鷲口瘡などが出現し,苦痛のために口腔ケアを拒否する事例もみられた.また,終末期におけるコミュニケーションは,認知症患者の場合,そうでない人に比べ少なくなる傾向がある.そこで拒否の理由を探求する姿勢が求められるが,看護職による口腔ケアにかかわる観察項目は十分とはいえない現状がある.口腔ケアにかかわるアセスメントを十分に行い,個別の状況(日常生活動作,口腔機能,歯周病の状況など)に合わせてケアを適切に組み立てていくためのプロトコールを作成するための要素を検討した.
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