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光活性化型チャンネルを用いたグリア-ニューロン間情報伝達の生理的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22650067
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 神経科学一般
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

野田 昌晴  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)

研究期間 (年度) 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
キーワード脳・神経 / チャンネルロドプシン / Na_xチャンネル / グリア細胞 / 光活性化
研究概要

Na_xチャンネルは脳弓下器官において、脱水に伴う細胞外液中のNa^+レベルの上昇を感知するNa^+レベルセンサーとして機能し、脱水時の塩分摂取回避行動の制御に関与している。申請者らは以前の研究において、グリア細胞に発現するNa_xがC末端領域を介してNa^+/K^+-ATPaseと結合していること、Na_xの開口によってNa^+が流入するとNa^+/K^+-ATPaseを活性化し、それに伴って解糖系が活性化すること、その結果グリア細胞からの乳酸放出が亢進し、この乳酸がGABAニューロンの神経活動レベルを上昇させることを明らかにした。本研究では、まず培養細胞に光活性化型チャンネル(ChR2)にNa_xのC末端領域を結合した融合タンパク質を発現させ、光照射によってChR2を開口させることによって、Na^+/K^+-ATPaseを活性化することを試みた。その結果、予想通り光によって解糖系の活性化が起きることが明らかとなった。Na_xのC末端領域を結合していないChR2ではこの解糖系の活性化は起きず、この機構が働くには、Na_xのC末端領域を介したChR2とNa^+/K^+-ATPaseの結合が重要であることが確認された。次に、この融合タンパク質をマウスの脳弓下器官のグリア細胞に発現させ、急性脳スライスにおける電気生理学的解析を行ったところ、光照射によってGABAニューロンの神経活動レベルが上昇することが確認された。このように、光制御によってChR2を開口することによって人為的にグリア細胞の糖代謝を活性化し、これによってin vivoと同様に特定の神経細胞活動を制御できることが明らかとなった。従って、本研究の結果は、申請者らが開発した光照射装置を用いて自由行動中の動物の脳内局所領域に光を照射すれば、脱水時の塩分摂取回避行動を光により制御できることを示唆している。グリア細胞の個体行動制御における役割の解明につながるものと期待される。

報告書

(1件)
  • 2010 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Autoimmunity to the sodium-level sensor in the brain causes essential hypernatremia2010

    • 著者名/発表者名
      Hiyama, et al.
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 66 ページ: 508-522

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 体液Na^+レベル感知のための脳内機構2010

    • 著者名/発表者名
      野田昌晴
    • 雑誌名

      日本小児体液研究会誌

      巻: 2 ページ: 3-16

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [雑誌論文] Na_xに対する自己抗体の産生が本態性高Na結晶の原因となる2010

    • 著者名/発表者名
      檜山武史、野田昌晴
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: 29 ページ: 1132-1138

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

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公開日: 2010-08-23   更新日: 2016-04-21  

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