研究概要 |
機能的胆管ネットワークを保持した肝組織構築を最終目的として,ラット胎児肝細胞とラット成熟胆管上皮肝細胞からなる三次元球状凝集塊を,invitroで形成させたところ,後者を前者の3倍混合した凝集体で,連続的かつ機能的な胆管ネットワークが凝集塊全体に形成されることを確かめた.さらに,形成した球状凝集塊を,マトリゲルに浸したポリ乳酸不織布担体に包埋して免疫不全マウスの腸管膜上に移植したところ,胆管上皮細胞への分化能力を持つ胎児肝細胞の凝集塊では胆管構造が全く形成されなかったのに対し,invitroで成熟胆管上皮細胞を混合した凝集塊では,胆管ネットワーク構造が安定的に維持された.以上,成熟した胆管上皮細胞の存在が胆管ネットワーク形成に極めて重要な役割を果たすことを明らかとした.
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