研究概要 |
呼吸性不整脈(RSA)の位相差ゆらぎに着目した新たなストレス指標を提案した。ストレスとして暗算課題を課したとき,血圧と呼吸周波数(f_R)の上昇,RR間隔の短縮,RSAの減弱とともに呼吸リズムとRSA間の位相同期指標(λ)の低下が認められた。λはRR間隔で正規化した高周波成分のパワー(nHF)およびRSAと強い正の相関を示し,低周波成分(nLF)のパワーとnHFの比(nLF/nHF)と負の相関を示した。f_Rの随意的な増加に対してnHFやRSAは減弱するのに対し,λはほとんど影響を受けなかった。λはf_Rの変化に干渉を受けないストレス反応に関連した自律神経活動を示す指標となる可能性がある。
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