研究課題
挑戦的萌芽研究
生物には概日リズムとよばれる、約24時間周期の自律的な活動リズムが見られる。真核生物の概日リズム形成には、転写制御フィードバックループが一義的な機能を担うとされる。一方転写リズムがなくても、多数のタンパク質で発現概日リズムが見出され、タンパク質の時刻依存的濃度変化を構築する転写後制御機構(翻訳やタンパク質分解)も、概日振動ネットワークが機能するために重要であることが明らかとなった。本年度は我々が開発した新規ポリA鎖決定法の反応の最適化を図るとともに、ゲノムワイドに展開するための基盤整備、そしてmRNAポリA鎖長に概日リズムが見られる遺伝子をゲノムワイドに検索するパイロットプロジェクトを実施した。その結果、poly(A-T)鎖を効率的に捕捉増幅する酵素の選定と反応条件を決定し、新たに構築した遺伝子特異的プライマーのデザインツールを用いてヒト、マウス、ラットの全mRMAの3'末端に対するプライマーをデザインした。さらに、ポリA鎖長を測定するための自動電気泳動装置出力データをpoly(A)鎖長分布解析プログラムを開発した。そして、この方法の有効性を実際の実験で評価するために、これらの条件と方法を用いてラットの約500の遺伝子mRNAのポリA鎖長を測定した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
PLoS One
巻: 6
Tohoku J Exp Med.
巻: 221 ページ: 287-298