研究課題/領域番号 |
22655026
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺尾 潤 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00322173)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
3,460千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2010年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | シクロデキストリン / 分子エレクトロニクス / 分子配線 / クロスカップリング反応 / オレフィンメタセシス反応 / 分子ワイヤ / ロタキサン / ジセレニド |
研究概要 |
従来型のシリコン半導体を基盤とする情報処理デバイスに代わり、コスト、および更なる微細化の面で分子デバイスの作製が期待されているが、そのためにはナノサイズのギャップを持つ電極間に共役分子を効率良く配線させる技術の確立が重要である。本研究は従来法に比べ、高い再現性と実用性を有する分子結線法の開発を目的とし、高度に被覆された共役分子の合成を行い、これらをナノ空間内でカップリング反応により繋ぎ合わせ、ナノスケールの電極間を被覆共役ポリマーにより配線する新手法の開発を目指し、直線的な遷移状態を経るHayカップリング、および平衡反応を経るオレフィンメタセシスを重合反応に選び被覆型π共役モノマーを設計・合成した。前者には完全メチル化α-シクロデキストリンにより被覆されたオリゴフェニレンエチニレン骨格を持つ分子を、後者にはその両端をアルケニル基へと変換したモノマー分子を合成し、それぞれ対応する電極接着部の分子(共役部位を有するジセレニド分子)の合成にも成功した。合成したモノマー、および接着分子を用い、30nmサイズのギャップを持つ電極間で結線を行ったところ、シクロデキストリンによる被覆の効果で分子の直線性が増加し、さらにπ共役鎖間の相互作用による凝集が抑制されたため高再現性で結線を行うことに成功した。本手法は将来、分子エレクトロニクス分野において安価なウエットプロセスによる実用的な集積化技術として先駆的な研究となるものと期待される。
|