研究概要 |
本研究は,温度分布制御マイクロフローリアクタを用いて,燃焼化学反応中におけるイオン反応について調べることを目的とする.将来の代替燃料の一つとして期待され,過去の研究で多段酸化反応を示すことが分かっているジメチルエーテルを燃料に用いた.初めに高温場(約1100K以上)でのイオン反応に注目し,リアクタによって熱炎を分離・定在させ,両火炎位置にインコネル製の電極を設置し,電極間の電位差を計測した.しかし,有意な電位差を見出すことができなかったことから,分離した熱炎反応中におけるイオン反応間では有意な電位差を形成していないと考えられる.次に低温場(約600Kから1100K)でのイオン反応に注目し,リアクタにイオンプローブを設置してイオン電流を計測した.その結果,温度上昇と共にイオン電流が増加した.これにより,従来は計測することが難しかった低温酸化反応の温度域におけるイオン反応について調べることが可能となる.
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