研究概要 |
創傷治癒様式は胎児型から成体型への転換が,ラット等の真獣類では胎仔期に起こることが知られるが,真獣類に比べ未成熟で生まれる有袋類ハイイロジネズミオポッサム(Monodelphis domestica)の新生仔期の皮膚の組織修復能を形態学的に検証したところ,そうした転換はオポッサムでは一律的ではなく,指標とする事象に左右されることが,in vivo,in vitro 両面の解析から明らかになった。組織修復能の構築については,生後 1 日目オポッサム新生仔の表皮では角質層分化が既に見られるというヘテロクロニーとの関連性を含め,有袋類の特殊性の有無の検証が俟たれる。
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