研究課題/領域番号 |
22659033
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 直貴 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (90312123)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ワクチン / 経皮投与 / アジュバント / 構造改変抗原 / 抗原提示細胞 / 親水性ゲルパッチ / 生分解性マイクロニードル |
研究概要 |
新興・再興感染症の世界的流行(パンデミック)が脅威となっている今日、感染症に対する唯一の根本的予防手段であるワクチンの重要性が再認識されている。申請者はワクチンの世界的普及と大規模接種への対応を容易にするという観点から、従来の注射ワクチンと比較して使用法が簡便で低侵襲な経皮ワクチン(貼るワクチン)に着目し、独自の経皮ワクチンデバイス(皮膚内溶解型マイクロニードル)をコスメディ製薬(株)と共同開発した。本研究では、皮膚内溶解型マイクロニードルを応用した経皮ワクチン製剤の利便性と汎用性の向上につながる二つのアプローチを試みた。 1)経皮ワクチン用アジュバントの探索:アジュバント候補物質として自然免疫応答の活性化に重要な役割を果たしているToll様受容体(TLR)に着目し、各種TLRリガンドを経皮ワクチンに適用した際の免疫応答増強効果を精査した。その結果、抗原とともにMPLA(TLR4リガンド)あるいはODNI826(TLR9リガンド)を封入したマイクロニードルを貼付したマウスでは、抗原のみを経皮免疫した群と比較して血清中抗原特異的抗体価に明らかな上昇が認められた。 2)ワクチン抗原分子の構造改変:経皮ワクチンに適用する抗原の生物学的利用率(抗原提示細胞への取り込み量)を改善するために、抗原提示細胞に発現するFc受容体への抗原標的化を図った。抗原と特異的抗体との免疫複合体を封入したマイクロニードルを貼付したマウスでは、血清中抗原特異的抗体価の上昇が達成された。 これらの基礎情報を活用して、投与抗原量ならびに免疫回数を低減しうる経皮ワクチンシステムの構築を図っていく予定である。
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