研究課題/領域番号 |
22659063
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,090千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 390千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2010年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 弾性線維 / ミクロフィブリル / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
弾性線維は、伸び縮みする組織(動脈・肺・皮膚など)に多くあって、その弾性を担う細胞外線維である。特に動脈では、脈圧を吸収するために弾性線維は弾性板という構造を作り重量の半分を占めている。老化によって心疾患の予後悪化因子となる動脈中膜硬化がおこるが、その多くは弾性線維の劣化・断裂が原因である。高齢者の主要疾患である肺気腫も弾性線維の劣化・断裂が直接原因であると考えられてきているため、弾性線維の劣化予防と再生は高齢化社会における極めて重要な課題である。申請者は弾性線維形成に必須のインテグリンリガンド、fibulin-5を発見した。さらに、線維芽細胞の無血清培養系にfibulin-5タンパクを加えるだけで弾性線維の形成が誘導されることを見出した。fibulin-5以外にも弾性線維形成の鍵となる分子が複数見つかってきている。本研究では、ヒト皮膚線維芽細胞を用いてこれら複数の弾性線維形成促進因子が弾性線維を形成する仕組みを明らかにし、効率よく弾性線維を再生できる「弾性線維再生カクテル」を作成することを目的とする。今年度は、LTBP-4という細胞外マトリックスタンパク質がfibulin-5およびfibulin-5に結合したエラスチンをミクロフィブリル上にリクルートするというメカニズムを明らかにした。この機構は弾性線維を形成するために必須である。特に重要なことは、リコンビナントLTBP-4タンパク質が強力な弾性線維再生作用を示すこととその分子機構がわかったことである。これにより、弾性線維再生カクテルの作成に必要な基盤的知識が得られた。
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