研究課題/領域番号 |
22659089
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 寧 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (60292984)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,960千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2010年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ヘルペスウイルス / gB / 受容体 |
研究概要 |
本研究の目的は、ヘルペスウイルスで保存されているエンベロープ糖蛋白質gBと会合する新規受容体を同定することにある。本年度、HSV-1 gBと会合する新規受容体としてnon-muscle myosin IIA (NM-IIA)の同定に成功した,結果は以下のとおりである。(i)NM-IIAは細胞表面において特異的にIISV-1 gBと会合した。(ii)IISV-1低感受性細胞にNM-IIAを過剰発現させるとHSV-1の感染が増強された。(iii)NM-IIAをノックダウンまたはNM-IIA抗体で阻害するとIISV-1感染が抑制された。(iv)細胞表面のNM-IIAの発現は、NM-IIAをリン酸化し、カルシウムで活性化されるキナーゼMLCKによるシグナル伝達によって制御されておいることが明らかになった。(v)MLCKの阻害剤ML-7およびカルシウム拮抗剤はNM-IIAの細胞表面量を低下させ、IISV-1の感染を抑制した。(v)ML-7をマウスに感染前投与すると、マウスの致死率が約半分に低下した。(vi)NM-IIAはSV-1と近縁な豚ヘルベスウイルス1型の受容体であることも示唆された。本知見は、NM-IIAやその制御関連因子を分子標的とした複数のヘルペスウイルスに有効な新たな抗ウイルス剤開発の可能性を示唆している。本知見はNatureに発表された。
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