研究課題/領域番号 |
22659128
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
押谷 仁 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80419994)
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研究分担者 |
神垣 太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80451524)
鈴木 陽 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20443989)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 感染症 / 公衆衛生 / ウイルス |
研究概要 |
新型インフルエンザは人類の大半が免疫を持っていないために、いったん発生すると急速に感染が拡大して世界中での大流行に至るものとされてきた。しかし、パンデミック(H1N1)2009では世界各国への感染拡大は急速に起きたものの、国内へのウイルスの流入が起きたあとに必ずしも大規模な感染拡大につながっているわけではない。このパンデミック(H1N1)2009において、初期の感染者の流入から大規模な流行につながる過程については、従来の疫学モデルで説明のできないことも多い。パンデミック(H1N1)2009におけるインフルエンザの市中における流行像を把握するために、居住地域に地理的な距離があるために独立しており、明確な季節性を有するモンゴルをフィールドとしてインフルエンザの流行状況を調べた。1300余世帯を対象にインフルエンザ様疾患のスクリーニングを行い、症例定義に合致するものについて質問票を使って調べた。初期解析の段階でありA型インフルエンザ(H3N2)が主である流行像であるが、家族内初発患者77例についてみると年齢の中央値が7歳であり、家族内2次感染例の年齢中央値が12歳であった。またその関係は兄弟姉妹間が最も多く、次いで親子間であった。時系列でみると幼稚園あるいは小学校就学児の間で患者発生が起こり、成人の患者発生はそれより遅れることが分かった。本結果を踏まえるとインフルエンザの流行の際には年齢間の伝播が大きな要素となっている可能性が示唆された。このような年齢群による流行像の違いは、パンデミック(H1N1)2009の際にもみられており、この事象の解明はインフルエンザ対策に有効であると考えられた。
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