研究課題
挑戦的萌芽研究
ES細胞の分化において、分化に要する時間はほぼ制御不能である。応募者はこれまで、独自のES細胞分化システムを用いて心血管分化再生研究を行ってきた。その中で最近、ES細胞からの中胚葉及び血管内皮細胞分化を従来の約2倍早く誘導することに成功し、分化速度に関する研究が初めて可能となった。本研究は、幹細胞の分化速度を制御する新しい分子機構を解明し、細胞分化の新しい理解と「目的細胞への分化時間の短縮」という画期的技術開発により、ES・iPS細胞を中心とする心血管再生医療の効率化に貢献することを目的とする。細胞分化研究における全く新しい研究領域を開拓し、ES・iPS細胞の基礎研究から医療の産業化に至る幅広い領域への萌芽的アプローチとなることが期待される。平成22年度は、分化速度制御におけるエピジェネティクスの関与について検討を行い、分化速度促進条件において、ヒストンメチル化の亢進と該当するヒストンメチル化酵素の発現増加を認めること、さらには同ヒストンメチル化酵素の発現抑制により、細胞分化速度促進が消失することを見出し、細胞分化速度制御システムにおけるエピジェネティクスの関与を分子レベルで明らかにすることに成功した。同ヒストンメチル化酵素の遺伝子ノックアウトマウスの早期胎仔においても細胞分化が抑制されていることを確認し、エピジェネティクス制御による細胞分化速度制御機構を分子レベルで明らかにすることに成功している。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (17件) 備考 (1件) 産業財産権 (4件) (うち外国 2件)
PLoS One
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http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/es02/