研究課題/領域番号 |
22659155
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐田 政隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80345214)
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研究分担者 |
黒部 裕嗣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380083)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 急性冠症候群 / プラーク / 慢性炎症 / マクロファージ / サイトカイン / 脂肪細胞 / 生活習慣病 |
研究概要 |
血管のホメオスターシス維持と病変形成過程における、血管周囲脂肪組織の役割について検討した。痩せたマウスの血管外膜周囲に豊富に存在する脂肪組織の形質を、皮下脂肪、内臓脂肪と比較したところ、血管外脂肪組織は通常は皮下脂肪に近いものの、血管傷害を契機に内臓脂肪型に形質を転換することが明らかとなった。血管外膜周囲の毛細血管をMelcox樹脂を用いて走査型電子顕微鏡で観察した。外膜脂肪細胞が血管と解剖学的に近接関係にあり、外膜液性因子が粥腫に直接アクセスする経路が示された。血管外膜脂肪組織周囲と血管壁との外膜微小血管によって、物理的、機能的に相互作用していることが明らかとなった。 また、痩せたマウスの血管外膜周囲脂肪組織を残した場合と、除去した場合で、血管傷害を加えて病変の形成の程度を比較検討した。外膜脂肪組織の除去により病変形成が加速された。また、その後、痩せた別のマウス由来の皮下脂肪を移植すると、病変形成は内因性の血管周囲脂肪組織がある場合と同程度まで抑制された。一方、太ったマウスの内臓脂肪を移植すると逆に病変形成は加速された。以上より、外膜周囲脂肪組織は病的血管リモデリングを抑制する作用があることがわかった。 外膜周囲脂肪組織は、通常病的血管リモデリングに対して防御的に機能することが明らかとなった,また、冠動脈疾患患者では、心臓周囲脂肪組織に炎症が生じ、動脈硬化の進展と破綻に大きな役割を担っていることが明らかとなった。バイパス手術を施行する場合に、炎症に富む心臓周囲脂肪組織を取り除き、健全な皮下脂肪を移植する新規抗動脈硬化治療手術を現在ブタを用いて検討している。
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