連携研究者 |
原口 和敏 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (10373391)
築谷 朋典 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所・人工臓器部, 室長 (00311449)
本間 章彦 東京電機大学, 工学部, 教授 (20287428)
武輪 能明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所・人工臓器部, 室長 (20332405)
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研究概要 |
我々が新規開発したハイドロゲル(ナノコンポジット型ヒドロゲル : NCゲル)は,クレイナノ粒子を用いた有機・無機ネットワークの形成によりハイドロゲルの欠点であった力学的脆弱性を克服し,安全性の高い新規医療材料として,人工弁などのインプラント材用への応用が期待されている. (1)本実験により,すべての埋め込まれたNCゲル周囲に,壊死や強い炎症など周囲皮下組織への不可逆的な影響は認めず,更にゲル自体の崩壊や変性も認められなかった.組織学的評価においては,力学的に堅い表面を有するゲルは,埋め込み後1ヶ月より膠原繊維を主体とする非薄な結合組織膜に覆われ,炎症細胞の浸潤は少なく,安定した状態であることが観察された. (2)人工心臓や人工肺などの循環器系人工臓器の開発において,血液接触面への抗血栓比処理は,その機器の性能や安全性に大きく関与する技術要素の一つとなっている.本研究では,トロンボエラストメトリー法を応用し,従来検討が困難であった抗血栓比表面処理技術の抗血栓比評価と抗血栓比機序の解析を行うことが可能となった. (3)最終年度の研究では,NCゲルを医療部材として実用化するために,ゲルの生物学的安全性および滅菌保存性を検証した.
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