CHD8/ヒストンH1複合体による老化とがんのエピジェネティック制御機構の研究

• 研究課題/領域番号: 22680061
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 発がん
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 西山 正章 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (50423562)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2011
• 研究課題ステータス: 完了 (2011年度)
• 配分額: 25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円); 2011年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円); 2010年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
• キーワード: 遺伝子 / 発生・分化 / 動物 / 癌 / 老化 / 生物

研究概要

最近われわれは、クロマチンリモデリング因子CHD8がクロマチン上にリンカーヒストンH1を呼び込むことによってp53機能を抑制することを見出したが、CHD8/ヒストンH1複合体は細胞老化におけるクロマチンリモデリングに重要な役割を果たしていることが予想された。そこでまず正常細胞でCHD8を過剰発現し、細胞老化に及ぼす効果について検討したところ、CHD8の強制発現はp53誘導性の細胞老化を抑制することが明らかとなった。次に発現誘導型CHD8トランスジェニックマウスを作製することによって、CHD8が強力なトランスフォーメーション活性を示すことを明らかにした。また正常老化マウスや老化モデルマウスでは、CHD8/ヒストンH1の発現レベルが著明に低下していることが判明しており、さらに正常細胞でヒストンH1をノックダウンすると細胞老化が誘導され、CHD8ノックアウトマウス由来の細胞も同様に細胞老化を来すことが明らかとなった。つまり、CHD8は抗老化作用をもつことが予想されるだけでなく、がん遺伝子として機能する可能性が高いものと考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] Histone H1 recruitment by CHD8 is essential for suppression of the Wnt-beta-catenin signaling pathway (2012)
  • 著者名/発表者名: Nishiyama M., Skoultchi AI., Nakayama KI.
  • 雑誌名: Mol. Cell. Biol 巻: 32 ページ: 501-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] Histone H1 recruitment by CHD8 is essential for suppression of the Wnt-β-catenin signaling pathway (2012)
  • 著者名/発表者名: Nishiyama M, Skoultchi AI, Nakayama KI
  • 雑誌名: Molecular and Cellular Biology 巻: 32 号: 2 ページ: 501-512
  • DOI: 10.1128/mcb.06409-11
  • 査読あり
• [雑誌論文] Identification of CHD7s as a novel splicing variant of CHD7 with functions similar and antagonistic to those of the full-length CHD7_L (2012)
  • 著者名/発表者名: Kita Y, Nishiyama M, Nakayama KI
  • 雑誌名: Genes to Cells 巻: (in press)
  • 査読あり
• [雑誌論文] The FBXL5-IRP2 axis is integral to control of iron metabolism in vivo (2011)
  • 著者名/発表者名: Moroishi T., Nishiyama M., Takeda Y., Iwai K., Nakayama KI.
  • 雑誌名: Cell Metab 巻: 14 ページ: 339-51
  • 査読あり
• [雑誌論文] The FBXL5-IRP2 axis is integral to control of iron metabolism in vivo (2011)
  • 著者名/発表者名: Moroishi T., Nishiyama M., Takeda Y., Iwai K., Nakayama KI.
  • 雑誌名: Cell Metabolism 巻: 14 号: 3 ページ: 339-351
  • DOI: 10.1016/j.cmet.2011.07.011
  • 査読あり
• [雑誌論文] Identification of CHD7S as a novel splicing variant of CHD7 with functions similar and antagonistic to those of the full-length CHD7L
  • 著者名/発表者名: Kita Y., Nishiyama M., Nakayama KI.
  • 雑誌名: Genes Cells
  • 査読あり
• [学会発表] CHD8によるヒストンH1のリクルートはWnt/β-カテニンシグナル伝達の抑制に必須である (2011)
  • 著者名/発表者名: 西山正章,中山敬一
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] ユビキチン化による鉄代謝制御機構 (2011)
  • 著者名/発表者名: 諸石寿朗,西山正章,武田有紀子,岩井一宏,中山敬一
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] クロマチンリモデリング因子CHD8のL型アイソフォームはマウスの個体発生や細胞分化に必須である (2011)
  • 著者名/発表者名: 片山雄太,西山正章,中山敬一
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] ユビキチン化による鉄代謝制御機構 (2011)
  • 著者名/発表者名: 諸石寿朗,西山正章,武田有紀子,岩井一宏,中山敬一
  • 学会等名: 第35回日本鉄バイオサイエンス学会学術集会
  • 発表場所: 徳島
  • 年月日: 2011-09-10
• [学会発表] Loss of Fbxl5 results in deregulation of iron metabolism in mice (2011)
  • 著者名/発表者名: Toshiro Moroishi, Masaaki Nishiyama, Kanae Yumimoto, Masaki Matsumoto, Kazuhiro Iwai, Keiichi Nakayama
  • 学会等名: 6th Cold Spring Harbor meeting on The Ubiquitin Family
  • 発表場所: Cold Spring Harbor, U. S. A
  • 年月日: 2011-05-17
• [学会発表] Loss of SCFFbxl5 results in deregulation of iron metabolism in mice (2011)
  • 著者名/発表者名: Toshiro Moroishi, Masaaki Nishiyama, Kanae Yumimoto, Masaki Matsumoto, Kazuhiro Iwai, Keiichi Nakayama
  • 学会等名: The Joint Symposium of the 7th Global-COE International Symposiumand 6th Young Investigators Forum
  • 発表場所: Bintan island, Indonesia
  • 年月日: 2011-02-10
• [学会発表] Loss of Fbx15 results in deregulation of iron metabolism in mice (2011)
  • 著者名/発表者名: Toshiro Moroishi, Masaaki Nishiyama, Kanae Yumimoto, Masaki Matsumoto, Kazuhiro Iwai, Keiichi I.Nakayama
  • 学会等名: 6th Cold Spring Harbor meeting on The Ubiquitin Family
  • 発表場所: Cold Spring Harbor, U.S.A.
• [学会発表] クロマチンリモデリング因子CHD8のL型アイソフォームはマウスの個体発生や細胞分化に必須である (2010)
  • 著者名/発表者名: 片山雄太,西山正章,中山敬一
  • 学会等名: Biochemistry and Molecular Biology 2010
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] 発生過程におけるアポトーシスの新しい制御機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 西山正章,中山敬一
  • 学会等名: クロマチンリモデリングによるp53のエピジェネティックコントロールBiochemistry and Molecular Biology 2010
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-07
• [学会発表] ディファレンシャル・プロテオミクス技術を用いた鉄代謝制御ユビキチンリガーゼFbxl5の網羅的基質探索と個体における機能解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 諸石寿朗,西山正章,岩井一宏,中山敬一
  • 学会等名: Biochemistry and Molecular Biology 2010
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-07
• [学会発表] 発生過程におけるアポトーシスの新しい制御機構:クロマチンリモデリングによるp53のエピジェネティックコントロール (2010)
  • 著者名/発表者名: 西山正章, 中山敬一
  • 学会等名: Biochemistry and Molecular Biology 2010
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-12-07
• [学会発表] ディファレンシャル・プロテオミクス技術を用いた鉄代謝制御ユビキチンリガーゼFbxl5の機能解析CREST (2010)
  • 著者名/発表者名: 諸石寿朗,西山正章,岩井一宏,中山敬一
  • 学会等名: 生命システムの動作原理と基盤技術
  • 発表場所: 研究領域
  • 年月日: 2010-06-01
• [学会発表] ディファレンシャル・プロテオミクス技術を用いた鉄代謝制御ユビキチンリガーゼFbxl5の機能解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 諸石寿朗, 西山正章, 岩井一宏, 中山敬一
  • 学会等名: CREST「生命システムの動作原理と基盤技術」研究領域平成22年度公開シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-06-01
• [図書] 初期発生におけるCHD8依存的なp53の制御機構 (2011)
  • 著者名/発表者名: 喜多泰之, 西山正章, 中山敬一
  • 出版者: BIO Clinica
• [図書] BIO Clinica (2011)
  • 著者名/発表者名: 喜多泰之, 西山正章, 中山敬
  • 総ページ数: 5
  • 出版者: 北隆館
• [図書] 発生過程におけるアポトーシスの新しい制御機構:クロマチンリモデリングによるp53のエピジェネティックコントロール実験医学増刊27 (2010)
  • 著者名/発表者名: 西山正章, 中山敬一
• [図書] 実験医学増刊 (2010)
  • 著者名/発表者名: 西山正章, 中山敬一
  • 総ページ数: 7
  • 出版者: 羊土社
• [備考]
  • URL: http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html
• [備考]
  • URL: http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html
• [備考]
  • URL: http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/saibou/index.html