研究課題
若手研究(A)
腫瘍免疫でのプロスタノイド受容体の役割を解析するため、化学発がんモデルの一つであるAOM (Azoxymethane)及びDSS (Dextran sodium sulfate)投与による大腸がんモデルを採用し、野生型マウスでの発がんモデルを立ち上げた。このモデルは化学発がん物質であるAOMを投与することで遺伝子変異を誘発し、その後、2週間の水道水投与に引き続き、腸炎症を引き起こすことが知られるDSS水溶液を1週間投与するというサイクルを2回繰り返すことで、慢性腸炎症誘導性の「がん」が生じるというものである。このモデルを用い、解剖学的に腫瘍様部位が生じること、組織学的にこれら腫瘍様部位がアデノーマの様相を呈することを確認した。さらにこのモデルをプロスタグランジン受容体であるEP1、EP2、EP3、EP4欠損マウス及び誘導型プロスタグランジンE合成酵素であるmPGES-1欠損マウスに適用し、EP1、EP2、mPGES-1欠損マウスでは、野生型と比較し、がん発症に抵抗性を示すという予備結果を得た。すなわち、EP1、EP2、mPGES-1欠損マウスでは、がん発症に伴う死亡率が野生型よりも低く、がん発生率も野生型と比較して優位に低かった。現在、発がんマウス大腸からのLPL及びIELの分離を試みている段階であり、今後、これらのマウスが大腸発がんに抵抗性を示すメカニズムを細胞及び分子レベルで解明する予定である。
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http://www5.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/