配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2011年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2010年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,ヒト記憶に対して抑制的な影響を与える加齢と,記憶に促進的な影響を与える心理過程との相互作用を担う神経基盤を,非侵襲的脳機能画像法(特に機能的MRI)を用いて解明することである.当該年度では,特に(1)顔と名前の連合記憶の記銘に関する神経基盤が,加齢によってどのように変化するのか,(2)顔の記憶処理に関連する神経基盤が顔の魅力がどのような影響を与えるのか,(3)単語の記憶に関連する神経基盤が金銭的な報酬と罰によってどのように変化するのか,の3つの研究を進めた.(1)の研究では,高齢者では顔と名前の連合記憶の能力が若年者と比較して低下しており,その神経基盤として海馬と左側頭葉先端部との機能的連関が,加齢によって低下していることが関係している可能性が示された.(2)の研究では,魅力的な顔は中程度の魅力や魅力的でない顔よりもより良く記憶され,その神経基盤として顔の魅力の処理に重要な眼窩前頭皮質と顔の詳細な記憶の記銘に関連する海馬との間の相互作用が重要であることが示唆された.(3)の研究では,単語の詳細な記憶は,記銘時の金銭的な報酬や罰によって促進され,その神経基盤として報酬や罰に関連する側坐核・腹側被蓋野や罰に特異的に関連する島皮質などの領域と,記憶に重要とされる海馬との間の相互作用が重要であることが示された.これらの研究成果は日本神経科学学会や国際脳マッピング学会などの国内外の学会や,Neuroimage誌などの国際的に評価の高い学術誌に発表された.
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