研究課題
若手研究(A)
シロイヌナズナではSSP遺伝子発現制御にbZIP型転写因子であるABI5が関与していることが報告されている。イネのABI5ホモログであるTRAB1はイネ胚乳でも発現しており、イネでもSSP遺伝子発現制御に関わっている可能性がある。そこで、TRAB1過剰発現体やSRDXを融合したTRAB1のキメラリプレッサーの作出を試みた。C末にHAタグを融合したTRAB1を過剰発現させるコンストラクトを導入した形質転換体では抗田抗体を用いたイムノブロットでは過剰発現が検出できなかったため、N末にFLAGタグを融合したコンストラクトを作製し、再度形質転換中である。TRAB1キメラリプレッサー(TRAB1-RD)の過剰発現体では背丈が低くなるという表現型の他に、SSPが顕著に減少しており、RISBZ1やRPBFのノックダウシ系統と種子の表現型が酷似していた。このことから、これらの転写因子の上流で機能し、SSPの蓄積量を制御している可能性が示唆された。転写因子がin vivoで直接的に標的遺伝子を制御しているかどうかを調べるにはChIP-seq法が有効である。そこで、プロトプラストを用いたChIP-seq法の開発に向けて、葉肉細胞由来プロトプラストを用いた一過性過剰発現系の構築を行った。検証のため、SSPを制御しているRISBZ1やRPBFや、ERストレスシグナル伝達に関わるOsbZIP39をエフェクターとし、それらが制御する既知の遺伝子プロモーターを用いたレポーターアッセイを行い、従来の培養細胞由来プロトプラストを用いた一過性過剰発現系の結果と同様な結果が得られた。
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