研究課題
若手研究(A)
本研究は長期療養施設における安全管理およびケアサービスの質評価について、ストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(結果)の3側面による検証を行い、今後の科学的かつ合理的な長期療養施設における医療・介護サービスについて検討するための基礎資料を得ることを目的としている。具体的には3年間で、1)長期療養施設における安全と質に関する評価指標の検証、2)安全と質に影響を及ぼす要因の解明、3)実証データに基づく科学的かつ合理的なケアサービスの検討、の3つの視点から検討を行う予定である。2年目にあたる平成23年度は、2)長期療養施設における安全と質に影響を及ぼす要因の解明を中心に取り組んだ。初年度に東北大学大学院医学系研究科倫理委員会の承認を得て、2011年2月から4月にかけて全国の長期療養施設(介護療養病床を有する医療施設、老人保健施設、特別養護老人ホーム)を対象とする実態調査を行った。過去1年間に提供されたケアサービスについて、施設基準や組織体制、関連職種の人員配置など(ストラクチャー部分)、リスクアセスメントの実施頻度、カンファレンス実施状況など(プロセス部分)を施設担当者へ確認し、また入所者の過去1年間の状況(転倒・転落、ADL低下、褥瘡、誤薬、経管栄養・留置カテーテル等のチューブトラブル、施設内看取りなど)について把握した。488施設から調査協力を得て、入所者2,440人分のデータを収集し、これらのデータをもとに、有害事象(転倒・転落、誤薬、経管栄養・留置カテーテル等のトラブル、誤飲・誤嚥、褥瘡の悪化、ADL低下など)、救急外来受診(救急車利用)や急性期病院への再入院(転院)などのアウトカムに関連する要因を検討した。
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