研究概要 |
ユーザの状況や状態を取得し,直接的・間接的にユーザが所望する様々な情報を提示することが可能なアンビエント情報環境が注目されており,本研究課題では,特にユーザの置かれている状況や状態を認識する技術の確立を目指し,机上作業中のユーザ状況を,ユーザに意識させることなく認識するために,非装着型の入力デバイスとして特殊な椅子を試作・評価し,ユーザ状況の認識・推定を試みる.平成22年度は重量センサを配置した椅子を試作し,性能評価を行った.その椅子を用いて平成23年度は評価実験を実施し,評価した.その結果,一般のオフィスチェアと同じ座り心地で, 100Hzの周波数で重心・重量を取得し, 8名の被験者の机上作業11種類を70%の識別精度で認識できた.本年はこの椅子を実際の机上作業環境に配置し, 1週間から2週間の長期間使用し,データ解析を行った.その結果,ユーザの姿勢が安定するまでに座り始めから10秒程度が必要なこと,ビデオと組み合わせることでその認識精度が向上することが分かった.一方,認識姿勢は「足を組む」や「突っ伏す」などある程度プリミティブな姿勢であり,我々が目指す「疲労」や「集中」といった高次のコンテキストであり, 11種類の姿勢がどのコンテキストにマッチするかを検討し,その識別率を計算したところ約90%の識別率が得られ,有効性が示された
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