研究概要 |
複数のカメラ映像を組み合わせることで,臨場感ある映像を生成したり,通常では見ることができない視点の映像を作ることができる.生成された映像コンテンツは,3次元ディスプレイへの入力映像としたり,障害物を除去してその背後を透視するような見せ方を行うことによって,従来の2次元映像を視聴するよりも,臨場感ある映像を提供できるため,テレビ放送やインターネット配信などへの応用が期待されている.このような映像を生成するためには,カメラ間の位置関係を推定し,それに基づいて映像の視点変換を行う必要がある.また,様々な端末・媒体へと多視点カメラ映像を配信するためには,その容量を削減するためにも,視点間の冗長性を利用した視点間予測が必要となる. これまでに,複数台のカメラで撮影した映像から,ある1つの障害物を取り除き,その背後に存在する背景を復元することで,障害物を透視したかのような陰消現実感映像を作り出すことができており,さらにその映像を多視点裸眼立体ディスプレイへと入力することで,ユーザの視点に応じて障害物が消えたり現れたりするように見せるシステムを開発した. そこで今年度は,スマートフォンやタブレット端末といった手持ちの携帯デバイスを対象として,削除すべき対象をユーザがインタラクティブに指定したり,端末そのものの向きによって視点を変えられるようなシステムを構築する.さらに,多視点カメラの映像を携帯端末へ効率的に転送するために,それらの重複部分を活用した視点間予測について検討し,未校正の多視点カメラによる符号化圧縮を行う.
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