研究課題/領域番号 |
22700394
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
明石 馨 新潟大学, 脳研究所, 特任助教 (30374713)
|
研究協力者 |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
|
研究期間 (年度) |
2010 – 2011
|
研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 脳・神経 / NMDA受容体 / 扁桃体 / 抑制性神経細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、NMDA受容体サブユニットGluN2B(NR2B/GluRA2)を発現する神経細胞における当該分子に関わる分子群の動態を調べることで、NMDA受容体の活性調節機構を明らかにすることである。この目的のために、申請者等が見いだした「海馬CA3シナプスではGluN2BがNMDA受容体の活性化に必須な分子である」ことが、性質の異なる扁桃体の抑制性神経細胞や大脳皮質興奮性神経細胞においても成立するか否かを、細胞特異的GluN2B遺伝子欠損マウスを用いて検証した。まず抑制性神経細胞特異的にCreを発現するGAD67-Creマウスを作製し、GluN2Bサブユニットfloxマウスと交配させ、抑制性神経細胞特異的GluN2B遺伝子欠損マウスを作出した。さらに、前脳興奮性神経細胞で選択的にCreを発現するEmx1-Creマウス、海馬CA1領域に選択性高くCreを発現するCP14マウスそれぞれとGluN2Bサブユニットfloxマウスを交配させて2種類の興奮細胞選択的GluN2B遺伝子欠損マウスを作出した。これらのマウスの表現型を解析したところ、抑制性神経細胞特異的GluN2B遺伝子欠損マウスは、発育が悪く下肢反射異常が見られた。また、小脳において登上線維終末の分布に異常が認められた。一方、大脳皮質興奮性神経細胞でGluN2Bサブユニットを欠失したマウスは、生後2週間ほどしか生きなかったが、海馬CA1で欠失したマウスは成体まで生存した。この変異マウスのCA1錐体細胞ではNMDA受容体を介する電気応答は減少していたが、CA3錐体細胞でGluN2Bサブユニットを欠失した個体のように全てのNMDA電流が消失しているのとは異なっていた。このことは、NMDA受容体の活性調節の機序は海馬興奮細胞においても細胞ごとに異なっていることを示唆するものであった。
|