研究概要 |
本研究の目的は,泳者手部・前腕部周りの圧力分布を測定するための,圧力センサアレイを用いたアームスーツを開発することである.泳者の手部にラテックス製のグローブを装着させ,ひずみゲージ式の小型圧力センサを手部周りの12カ所(一部アレイ状)に取付けた.それぞれのセンサに働く圧力から泳動作時の手部に働く流体力を算出し,さらに手の動作変化に伴う圧力分布をみた.その結果,スカーリング動作時の手部周りの圧力分布は,手の移動方向による先端部(Leading Edge)側の圧力差が手のひらと甲側で増大し後端部に近づくほど圧力差はほとんどなかった.また,手部の移動方向が反転しLeading Edgeが親指側から小指側に変わると, Leading Edge側の圧力差が増大し,それと同時に手部にかかる流体力も増大した.このように水泳のストローク時手部周りの圧力分布は,手の移動方向や速度変化に依存していることが分かった.
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