研究概要 |
バイオテクノロジー応用食品の購買意思に影響を及ぼす要因は,従来消費者の知識や態度であると考えられてきた.しかし,社会心理学の理論によれば,購買意思には個人の知識や態度のみならず,主観的規範も影響する可能性が有力である.そこで本研究は,バイオテクノロジー食品に関する態度や主観的規範の認知特徴を抽出するとともに,その購買意思への影響をモデル化することを目的とした.調査1では,遺伝子組換え食品をターゲット食品として,肯定的・否定的信念,所有者ステレオタイプを抽出した.そして調査2では300名の消費者を対象として,それらの信念・ステレオタイプと購買意欲との関連を検討した.その結果,遺伝子組換え食品の購買意欲には自身の態度のみならず主観的規範が影響を及ぼすこと,および「倫理的懸念」という否定的信念が遺伝子組換え食品の購買意欲を抑制することを見出した.
|