研究概要 |
本研究では,自然環境の厳しい乾燥地における簡易な地下水探査手法として,地下水が流動する際に発生する弾性波を用いた新しい調査法を開発した。調査対象地はモンゴル中央部の半乾燥草原地帯であり,既存の浅井戸を用いて地下水位-地下流水音相関を求めた。その結果,地下水位が浅いほど地下流水音は大きく,両者の関係は対数近似できることが明らかとなった。また,地下流水音は帯水層の地質条件の影響を受けることが示唆された。得られた近似式を用いて斜面における地下水分布推定を行ったところ,水文地形学的に地下水位の高まりが推定される地点では推定地下水位も高くなり,かつその周囲では高水分状態を好む植生がみられるなど,妥当な結果が得られた。
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