研究概要 |
本研究では,都市鉱山からある素材 1kg をリサイクルするために必要な関与物質総量(TMR)を「都市鉱石 TMR」と定義し,それを自然鉱山からある素材 1kg を製錬するために必要な TMR「自然鉱石 TMR」と比較することで,都市鉱山に含まれる元素・素材の「質」を「拡張した粗鉱品位」として評価できる手法を確立した.この指標を用い,レアメタルについてはリサイクルすべき元素の選定と新規リサイクル手法の提案,ベースメタルについてはカスケードリサイクルの最適化を示すことを目的として研究を進めた.まず都市鉱石 TMR の持つ指標としての意味を明らかにし,その解釈を基に,使用済み家電製品から得られるレアメタル,使用済み建築物から得られるベースメタルについての評価を行った.さらに,TMR が資源端の重量で有り,推算した自然鉱石 TMR と都市鉱石 TMR の内訳を国別に分解することで,ある素材の資源端利用の国外依存性を定量的に評価できることを明らかにした.
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