研究課題/領域番号 |
22710072
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
寺田 昭彦 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30434327)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 環境技術 / 微生物 / バイオフィルム / アナモックス / 微生物付着 / 排水処理 / 生物学的窒素除去 / 嫌気性アンモニア酸化 / 後期性アンモニア酸化 / 放射線グラフト重合 / 細菌付着 / バイオフィルム形成 / スタートアップ / 嫌気性アンモニア酸化(アナモックス) / 好気性アンモニア酸化 / 放射線グラフト重合法 |
研究概要 |
アンモニア酸化細菌(AOB)とアナモックス細菌は増殖速度が遅く、スタートアップの短縮化が技術的課題である。そこで、これらを利用した排水処理プロセスのスタートアップ短縮を目指すため、これらの細菌が迅速に固定化される担体を作製した。ポリエチレン製不織布担体に放射線グラフト重合法を適用し、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート(GMA)をグラフトし、ジエチルアミン(DEA)溶液に浸漬させ、GMAのエポキシ基をジエチルアミノ基に転換した(DEA担体)。化学的に正電荷に改質されたDEA担体はAOBを1日以内で固定化でき、付着速度は元の担体の10000倍に達した。9日間の培養で得たAOBバイオフィルムのアンモニア酸化速度は、元の担体の4.4倍に達した。一方、アナモックス細菌集積汚泥でもアナモックス細菌はDEA担体に迅速に固定化され、窒素除去速度は元の担体と比較して2.4倍に向上した。 一方、細菌群のコミュニケーション機構であるクオラムセンシング(QS)がバイオフィルム形成を制御しており、上述した細菌群はアシル化ホモセリンラクトン(AHL)をQSを伝達するシグナル化合物である可能性が近年報告されている。したがって、このAHLを分解可能なアシラーゼを固定化した不織布担体を作製し、バイオフィルム形成の重要因子の解明を目指した。アシラーゼをDEA担体に固定化したシート上に形成されるAOBのバイオフィルムは凝集化せず分散する傾向が得られた。つまり、この担体ではバイオフィルム化の引き金になるAHLの分解が起こり、バイオフィルム形成が抑制される可能性が示された。一方、このような傾向はアナモックス細菌のバイオフィルムには見られず、他のシグナル物質か異なる機構によるバイオフィルム化が起こる可能性が示された。
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