研究概要 |
我々はこれまでに、非極性溶媒中のシリカ表面に吸着したアルコールなどの水素結合性液体分子が、表面から水素結合によりつながった厚さ数10nmにおよぶ規則構造を形成することを見いだしている(界面分子マクロクラスター)。また、界面分子マクロクラスターが形成された表面間には、5nm以下の近距離で、液体構造に起因する強い斥力が働くことを明らかにしてきた。この現象は、低分子・低粘度の液体の吸着層でありながら高負荷下でも安定に存在し、固体表面の直接接触を避けるという潤滑層に求められる特性を実現している。本研究では、吸着分子種により界面分子マクロクラスターの構造・厚みを制御し、その力学特性との相関を解明し、この知見に基づき、液体ナノ薄膜による高潤滑とその分子論的な制御を実現する新しい方法論の確立を目的として、測定用のセルの設計・製作を行い、これを用いてエタノール-シクロヘキサン,エチレングリコール-シクロヘキサン,水-シクロヘキサン2成分液体を用いたシリカ表面間の潤滑特性の評価を行った。
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