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親電子シグナル解除機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22710209
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物分子科学
研究機関筑波大学

研究代表者

岩本 典子  筑波大学, 人間総合科学研究科, 研究員 (10550204)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
研究課題ステータス 完了 (2011年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード親電子物質 / 親電子シグナル / 化学修飾 / PTP1B/EGFRシグナル
研究概要

親電子物質はタンパク質の求核基と共有結合する性質を有している。親電子物質に修飾されるセンサータンパク質の中でも、活性部位に反応性の求核基を有するタンパク質は親電子物質によってその活性を制御される。これまでに、我々はプロテインチロシンホスファターゼ1B(PTP1B)が、大気中に存在する親電子物質1,2-ナフトキノンのセンサータンパク質であることを明らかにした。PTP1Bは上皮成長因子受容体(EGFR)のリン酸化を負に制御することで、生体恒常性を制御しているタンパク質であり、活性部位には反応性の求核基(システイン残基)を有する。一方、生体内においても多種の親電子物質が産生されており、そのひとつがニトロ化を受けると親電子性を有する脂肪酸となるニトロ化オレイン酸(OA-NO_2)である。本研究では、このPTP1B/EGFRシグナルが生体内の親電子物質であるOA-NO_2に対してもセンサーとして働くか否かを明らかにすることを目的とした。
OA-NO_2をA431細胞に曝露すると、濃度依存的に細胞内PTPsの活性が低下し、EGFRの自己リン酸化が亢進し、EGFRの下流のシグナル伝達因子であるERK1/2のリン酸化も増加した。PTP1Bの精製酵素にOA-NO_2を曝露すると、OA-NO_2の濃度依存的にPTP1Bへの結合及び活性阻害が促進された。MALDI-TOF/MS分析した結果、OA-NO_2のPTP1B結合部位がCys215およびHis54であることが明らかとなった。以上より、内在性親電子物質であるOA-NO_2はPTP1Bの活性部位Cys215に結合し、本酵素活性を阻害することで、EGFRの自己リン酸化に伴う親電子シグナル伝達経路の活性化を引き起こすことが示唆された。

報告書

(1件)
  • 2010 実績報告書

研究成果

(8件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Initial response and cellular protection through the Keap1/Nrf2 system during exposure of primary mouse hepatocytes to 1,2-naphthoquinone.2011

    • 著者名/発表者名
      Miura T
    • 雑誌名

      Chemical Research in Toxicology

      巻: (印刷中)

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biochemical and cellular effects of electrophiles present in ambient air samples.2010

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto N
    • 雑誌名

      Atmospheric Environment

      巻: 44 ページ: 1483-1489

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ブチルヒドロキシアニソールの親電子代謝物によるKeap1/Nrf2システムの活性化2010

    • 著者名/発表者名
      安孫子ユミ, Bui Hoang Phuc, 岩本典子, 新開泰弘, 熊谷嘉人
    • 学会等名
      衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      東京都(品川区)
    • 年月日
      2010-09-10
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 親電子修飾の自己制御能を有する解糖系酵素としてのグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素2010

    • 著者名/発表者名
      三浦高、岩本典子、新開泰弘、熊谷嘉人
    • 学会等名
      衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      東京都(品川区)
    • 年月日
      2010-09-09
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] S-トランスアルキル化を介した親電子修飾の自己制御タンパク質の同定2010

    • 著者名/発表者名
      矢澤亜季、岩本典子、安孫子ユミ、浅井聡、三浦高、新開泰弘、熊谷嘉人
    • 学会等名
      衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      東京都(品川区)
    • 年月日
      2010-09-09
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] 生体内親電子性代謝物ニトロ化オレイン酸はPTP1Bの活性を阻害しEGFRシグナル伝達経路を活性化する2010

    • 著者名/発表者名
      岩本典子、Bruce A Freeman、熊谷嘉人
    • 学会等名
      衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 発表場所
      東京都(品川区)
    • 年月日
      2010-09-09
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [学会発表] Glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenaseの基質依存的な酸化的不活性化2010

    • 著者名/発表者名
      小野勝彦、居原秀、三浦高、岩本典子、熊谷嘉人、澤智裕、赤池孝章
    • 学会等名
      第63回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      神奈川県(横浜市)
    • 年月日
      2010-06-24
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.md.tsukuba.ac.jp/community-med/environmental_medicine/main/toppage.html

    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

URL: 

公開日: 2010-08-22   更新日: 2016-04-21  

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