研究課題/領域番号 |
22720104
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
下條 恵子 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (30510713)
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連携研究者 |
スコット ピュー 福岡女子大学, 文学部, 教授 (60244795)
巽 孝之 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30155098)
秋元 孝文 甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)
坂井 隆 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (90438317)
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研究協力者 |
クリストファー シュライナー グアム大学, 人文科学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2012年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 思想史 / 英米文学 / 社会史 / アメリカ文学 / 経済思想 / 金融史 / 文芸誌史 / 思想由 |
研究概要 |
海外調査では、 アメリカ植民地時代から現在に至るまでの保険産業を詳述した貴重な資料を入手。この資料の分析やフィラデルフィア、ロンドン、フィレンツェといった保険産業を歴史的に担ってきた都市での調査によって、アメリカ金融における精神風土が実は大洋横断的な性格をもったものであるという見解が裏付けられた。さらにこの「大洋横断性」は現代のアメリカ文学作品の中にも如実にあらわれていること、そしてそれは欧州-アメリカをつなぐ「大西洋横断性」に限られるものではなく、アジア(インド、中国)を到達地と設定していた大航海時代の「アジア=ユートピア」言説まで遡り、アメリカ文学の中にアジア表象として埋め込まれていることを明らかにすることができた。これらを踏まえて執筆した原稿が博士学位請求論文の一部として結実し、さらに、2 本の研究論文が査読付き論文として学会誌に掲載されるなど、客観的評価を伴った成果物を残すことができた。また、学会での口頭発表(3 件)に加えて、研究協力者を一般向けの公開講座(2 件)の講師として招き、研究課題に沿ったテーマで語ってもらうなど、社会に開かれた対話的研究活動の場を持つこともできた。また、 「損失」をモチーフにした作品内に「契約」の概念がいわば宗教的意味合いを持って描かれていることを発見し、保険などの「社会的契約」が「恩寵の契約」という契約神学の精神と一体となってアメリカの精神風土を形成して来たのではないか、という新たな研究の着想を得ることもできた。
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