本研究は、1579年(天正7年)に初来日し、以後さらに2度来日したイエズス会士アレッサンドロ・ヴァリニャーノと、1926(大正15)年に来日したサレジオ会士ヴィンチェンツォ・チマッティについて、日本語・日本文化に対するアプローチを主軸に据えて考察する異文化コミュニケーションの史的研究である。両者には共通点が多く存在することが調査から判明した。自らの日本語習得は高水準には達しなかったものの後進のための教育システム作りが奏功し、さらにはアコモダチオ(accommodatio)の精神を異文化コミュニケーションの一手法として実践できたことが両者の名を現在に残すことに繋がった。
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