研究概要 |
本研究では,英語学習法として注目を集めているシャドーイング(聞こえてくる音声をほぼ同時にあるいは少し遅らせて,できるだけ正確に繰り返して発音する英語学習法)に焦点を当て,シャドーイング学習中の脳内言語処理メカニズムの解明を目的として,外国語として英語を学ぶ日本人を対象に, NIRS(近赤外光法脳計測装置)による英語学習中の脳内血流および酸素消費変化に関する計測実験を実施した。COE(脳酸素交換機能マッピング: Cerebral Mapping of Oxygen Exchange)による解析の結果(本報告書の提出時点ではCOE解析は中間報告段階),シャドーイング学習時において酸素消費量が増加した脳内部位は,リスニングまたはリピート学習時において酸素消費量が増加した脳内部位とは異なる傾向にあることが明らかになった。さらに,高等専門学校専攻科1年生(一般の大学3年生に相当)を対象に5日間の英語集中授業を実施した結果,シャドーイング学習はリスニング内容理解力の向上に有意な効果がある一方,シャドーイングと速読を組み合わせた学習は,リスニング内容理解力とリーディング内容理解力の両方を有意に向上させるという結果が得られた。
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