研究課題/領域番号 |
22720265
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 明日香 東京大学, 東洋文化研究所, 助教 (60549509)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中世史 / 史料学 / エジプト / 宗教的寛容 / イスラーム史 / 東方キリスト教史 / コプト学 / 聖人研究 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
研究概要 |
「ムスリム社会」であったと考えられがちであるマムルーク朝期エジプトについて、キリスト教の視点、具体的にはキリスト教徒にもムスリムにも崇敬されたキリスト教の聖人の活動から当時の社会のあり方について考察している。本年度は、1.コプト聖人伝写本の網羅的収集、2.写本の内容の整理と分析、3.成果の発表を行った。 1.1、エジプト調査:9/24-10/3にかけ、エジプトのワーディー・ナトルーンを中心に修道院で調査を行い、写本を閲覧した。今回は同一の聖人伝に写本が2系統あるもの(一部全く別個の内容)を初めて確認し、その聖人伝に関する先行研究上の矛盾を解決した。1.2、1/23-1/30にかけ、イタリアのベネチア、マルチアーナ図書館にてアラビア語キリスト教文学の写本を網羅的に調査した。 2.写本情報の整理:本年度も引き続き、収集した写本の情報(文字の解読や写本系統)を整理した。成果の一部は2012年3月に学術雑誌『オリエント』に掲載された。日本におけるアラビア語コプト文学の研究としては画期的な内容であったと考えている。 3、成果報告:本年度は研究成果を3回報告し、論文を2本発表した。例えば5月に開催された日本中東学会では平成22年度の調査で発見した『ユハンナー・アッラッバーン伝』の内容に基づき、中世エジプトにおける農村地帯のキリスト教徒の生活について報告した。学術論文としては平成22年度にスペインで行った報告も論文集の一部としてスペインから近日中に刊行される予定である。なお、本年度は報告するはずであったアメリカ宗教学会のセッションは人数不足によりキャンセルとなり、同様に報告を依頼されていたコプト歴史学会も開催地であるエジプトの政情不安により延期となった。
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