2000年代の日本企業の研究開発(R & D)投資における資金調達行動の分析を行った。R & D集約産業に属する上場企業をサンプルにR & D投資関数を推計した結果、以下のようなことが明らかとなった。主に新興市場上場の社齢が若く比較的小規模な企業においては、R & D投資に関して資金制約の存在が確認された。しかし、それら新興企業において増資によるR & D投資への資金調達は見られず、株式市場がR & D投資への資金供給源として機能していない可能性が示唆された。負債とR & D投資の関係に関しては、負債返済に窮した企業は、R & D投資において資金制約に直面しており、R & D投資が過小になっていることが示された。
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