研究概要 |
組織構造,経営戦略,といった人事管理を取り巻く状況的要因が変化する中で,役割や権限といったような人事部門の体制がどのように変化してきたかについて,理論的,実証的に検討してきた。発見された知見は,以下のように要約可能である。(1)ライン主導で運用されるような人事施策が,充実してきている。(2)人事部門によるラインの統制は,より間接的なものとなっている。(3)人事部門によるライン情報の収集や権限の掌握は,依然として合理性を持っている。経営における柔軟性がますます重要となる中でも,組織を統制,統合するための人事部門の貢献は依然として重要である。人事部門には,そうしたニーズに引き続き対応するために,自らの体制を進化させることが望まれる。より具体的には,体制の弱体化を避けつつ,ライン管理職との協調的関係を構築する必要がある。
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