研究課題/領域番号 |
22730467
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 環太平洋大学 (2011-2012) 山口芸術短期大学 (2010) |
研究代表者 |
小宅 理沙 環太平洋大学, その他部局等, 講師 (50523536)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 性暴力 / 生殖 / 福祉 / ジェンダー / 性被害 |
研究概要 |
今回の大きな研究目的としては、リプロダクティブ・フリーダムとは何か、どこまでの可能性を追求できるかを検討することであった。このことを検討するにあたり、最も極端ではあるが、しかし現実社会において実際に起こっている「レイプによる妊娠」を事例とし、考察を進めた。 考察にあたっては、まず実態を把握することにした。実態を把握するために、まずはレイプにより実際妊娠にいたった被害者女性たちへのインタビュー調査を実施した。この調査は、日本国内にとどまらず、韓国の釜山、あるいはアメリカ合衆国のハワイ州においても実施した。そして、被害者女性の中には、必ずしも消極的ではなく自ら出産を選択する女性もいた。これは宗教などの影響も多少あるかと考えられるが、出産を実現する被害者女性に大きく影響を与えているのが様々な「社会資源」であった。具体的には、出産が継続できるための施設や、資金面での援助、そして医療や精神的な援助が、「中絶したくない」という願いを叶えることを可能としていた。その一方で「中絶したくない」という思いや発言は、その事件自体が「レイプ被害ではなかったのでは」との疑惑を抱かせる働きをなした。つまり、レイプ被害自体が魂を殺害するほどのショッキングな出来事であったはずなのに、それが原因で妊娠した子どもの中絶を躊躇するといったことが、矛盾しているとの周囲の声もあったという。 しかし、これらのインタビュー調査分析を詳細に進めていくうちに、被害者女性たちのある共通する部分が発見できた。それは、妊娠した子どもと加害者との分離、あるいは自分自身と子どもとの一体感、である。この部分を考慮するのであれば、「レイプ=中絶」の実に単純な図式は崩れ、リプロダクティブ・フリーダムとは何か、また実現に向けては何か-社会資源に限らず思考なども含-再検討するきっかけになると考えられる。
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