研究概要 |
10種類の話者役割タイプの特定と,それらの取得レパートリを測定する尺度を作成した。グループ・ディスカッション実験を実施し,メンバーの話者役割レパートリとチーム・パフォーマンスとの関係について検討した。その結果,メンバーの役割取得については,集団圧力が強い集団では,全員が貢献的な役割取得パターンを示したのに対し,圧力の弱い討議集団では,メンバーは自らの役割レパートリに応じた役割を取得した。チーム・パフォーマンスについては,貢献的役割を斉一的に取得したチームほど,高いパフォーマンスを示した。以上,「課題解決に向けた集団圧力を高めることで,貢献的な役割の斉一的な取得が促される。それにより,チームのパフォーマンスは向上する」という集団力学的メカニズムが明らかになった。
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