研究課題/領域番号 |
22730592
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
饗庭 絵里子 関西学院大学, 理工学部, 研究員 (40569761)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2011年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2010年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 聴覚抹消系 / 蝸牛遅延 / 聴性脳幹反応 / 同時性判断 / 感覚 / 知覚 / 聴覚末梢系 / 聴覚末梢モデル / 可塑性 |
研究概要 |
オンセットの同時性は、多くの周波数成分を含む音を単一の音として知覚するための重要な手がかりである。しかしながら、たとえ複数の周波数成分が物理的に全く同時に始まったとしても、蝸牛レベルではその時間的な関係が維持されていない。これは蝸牛基底膜の固さが、鼓膜側から蝸牛頂側にいくにつれて次第に固くなるために生じる現象である。この現象のため、低い周波数成分によって引き起こされる振動は、高い周波数成分によって引き起こされる振動よりも遅く共振する場所に達する。この現象は「蝸牛遅延」と呼ばれている。我々は、蝸牛遅延が同時性判断に影響を及ぼしているのかどうか、また、聴性脳幹反応(ABR)にも変化を及ぼしているのかどうかを、音響心理実験および生理実験によって検証した。その際、蝸牛遅延量を操作した二種類のチャープと一種類のパルスが実験刺激として使用された。その結果、音響心理実験において、通常の蝸牛遅延を引き起こすパルス刺激において、同時性判断の精度が最も高くなった。また、蝸牛遅延をなくすような刺激よりも蝸牛遅延を増長するような刺激において、より同時性判断の精度が高く、異方性をもつことが明らかになった。生理実験においても、人間の聴覚システムにおいて、時間的な処理の側面に異方性があることが示された。
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