本研究では、冷凍機が不要で小型軽量化が実現できる「非冷却ボロメータカメラ」に、透過型ゲルマニウムレンズよりも高い光量を得られる反射光学系を適用した「宇宙用赤外二次元分光器」の実現に向けた基礎開発を行った。反射光学系には鏡の枚数を最小限にして最大の光量を得るために表面を凹面加工した回折格子を採用し、ボロメータ検出器(平面)に焦点を結ばせる(フラットフィールドタイプ)こととし、汎用のナノ切削加工機を用いて回折格子の試作品(焦点距離100mm、F1. 4)を製作して面精度を評価した。結果、目標である0. 5μm僅かに上回る0. 59μmであったが、これは加工用の刃先の損傷による傷であることが確認でき、汎用加工機によって安価に回折格子が製造できる見通しがついた。
|