研究概要 |
高吸収性機能性ゲルの材料ポリマーとして期待されるポリフマル酸(PFA)を合成するのに必要となるポリフマル酸ジ‐tert‐ブチル(PDtBF)について,テトラヒドロフラン(THF)中30℃において,静的光散乱により重量平均分子量Mw,平均二乗回転半径〈S2〉,第二ビリアル係数A2 を決定した.同じ溶媒条件において,粘度測定により固有粘度[η]を,動的光散乱測定により流体力学的半径RH を決定した.これらの結果をみみず鎖モデルに基づいて解析し,PDtBF に対する剛直性パラメーターλ^<-1>の値を375Åと決定した.これは,ポリフマル酸ジイソプロピル(PDiPF)に対するλ^<-1>の値113Åに比べてはるかに大きい.このことより,PDiPF やPDtBF を含むポリフマル酸ジアルキルでは,側鎖置換基にメチル基が1つ増えることによって,鎖の剛直性が劇的に増加することが明らかになった.
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