研究課題/領域番号 |
22750186
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 (2011) 信州大学 (2010) |
研究代表者 |
福田 勝利 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, NIMSポスドク研究員 (80504331)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 層状・層間化合物 / 金属 / ナノ材料 / ナノシート |
研究概要 |
本研究では、「層状化合物の単層剥離から得られたナノシートの金属化現象の解明および誘導された金属ナノシートの基礎的な理解」を目的とする。平成23年度は、遷移金属ナノシート創製の検討と密度汎関数理論による金属ルテニウムナノシートの電子状態の推定の2点について研究を進めた。 まず、酸化チタンナノシートと新たに合成した2Dブロンズ型酸化タングステンナノシートの超薄膜を合成し水素雰囲気下焼成を行った。平成22年度の成果から、トポタクティックな金属化には低温で反応を進行させることが必須条件であることがわかったため、低温プロセスでこれらサンプルの還元を模索したが、同条件下では還元されないことが可視・紫外吸光測定などから明らかとなった。また、水酸化コバルトナノシートを製膜しヒドラジン処理を施し還元を試みたが、トポタクティックな還元反応は見られなかった。これらの結果から酸化ルテニウム系ナノシートに見られる金属化現象は、貴金属系特有の低温還元現象に由来している可能性が示唆される。 また、密度汎関数理論による金属ルテニウムナノシートの電子状態の推定においては、最終的に初期の計算モデルとして金属原子層2層を含む1セルを仮定した。初めに酸化ルテニウムや多層状態の金属ルテニウムにおいて、計算科学的に金属伝導することを確認した。その後、ルテニウム単分子モデル1セル中の2層のルテニウム層の層間距離を離すことで1層のルテニウム単分子膜のバンド計算に成功している。得られたバンド構造は非常にユニークなものであり、解釈に困難が伴うものの必ずしも金属伝導するとは限らないという結論に至った。 発信作業においては、すでに新規前駆体として合成したナノシートの原稿は欧米紙に投稿中であり、金属ナノシートに関する研究内容はそれらの特異な電気伝導度と共に併せて原稿の執筆を進めている。
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