研究概要 |
近年,論理LSI内の論理素子に放射線が入射する事で発生するSETパルスによるソフトエラーが問題となっているがそのSETパルスの発生,伝播機構についてよくわかっていない点が多い.本研究では,論理LSI内で発生するSETパルスの発生,伝播機構を,論理素子を構成する最小単位であるトランジスタレベルで明らかにした.具体的には, NMOSFET, PMOSFET 1個ずつ組み合わせた最も簡単な構造を持つNOT素子に注目し,そのNOT素子で発生するSETパルスの発生率と,時間幅をトランジスタレベルで評価した.その結果, NOT素子で発生するSETパルスのほとんどはNMOSFETにおける過渡応答起因するものであり,そのSETパルスの時間幅はNMOSFETにおける過渡応答から推定可能であることを示した.
|