研究概要 |
近年,世界各地で極端現象による被害が頻発しており,対策および予測精度の向上は喫緊の課題である.本研究は大陸スケールで発生した旱魃を対象事例とし,全球気候モデルにおける陸面初期情報が与える準季節スケールの予報スキルの評価を行った.人間活動の影響を考慮した陸面初期データを予報実験に用いたところ, 1988年夏に北米大陸において発生した旱魃の準季節スケールの予報スキルは向上し,高い精度で旱魃の事前把握の可能性を示した.また大陸河川の河川流量に与える陸面初期情報の影響についても検討を行い,人為的な河川流量の調整がない場合, 1か月先の河川流量の挙動は陸面初期情報に強く依存するという結果が得られた.
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