研究概要 |
本研究では,物理的知見に基づき構築された延焼モデルを利用することで,文化財建築物を地震火災の被害から守るために整備される各種対策の有効性を,定量的に評価する手法の開発を行った.本評価手法では,周辺市街地で発生した火災が評価対象となる文化財建造物に燃え広がるまでの流れをイベントツリーの形で整理し,各事象の発生確率を考慮したモンテカルロシミュレーションを行うことで,市街地における特定の建物の焼失リスクの評価を行っている.さらに,開発した評価手法を利用することで,現行の地震火災対策の課題を整理し,それらの実効性を向上させるための方策を明らかにした.
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