研究課題/領域番号 |
22770197
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高野 直治 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80445410)
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研究期間 (年度) |
2010
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2010年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 一酸化炭素 / メチル化修飾 / 糖代謝 |
研究概要 |
がん細胞は、糖代謝律速酵素であるPyruvate kinase M2(PKM2;がん細胞および幹細胞特異的なアイソフォーム)がリン酸化され、活性抑制を受けることにより、糖の利用をエネルギー産生から脂質や核酸などの産生へとシフトし、細胞増殖を促進することが明らかとなってきている。本研究では、がん細胞における細胞増殖の調節機構の1つとして、ガス状メディエーターである一酸化炭素(CO)が、PKM2を翻訳後修飾の1つであるメチル化修飾を行うことで活性を上昇させ、糖代謝の調節、および細胞増殖の抑制をおこなっている、という仮説を明らかとすることを目的とし、研究を行ってきた。 本研究では、PKM2のメチル化修飾を受けるアルギニン残基の同定、メチル化修飾による活性の上昇の検証を主に行ってきた。まず、メチル化修飾を受けるアルギニン残基の同定を試みた。すると、PKM2のC末の3つのアミノ酸残基がメチル化されることが分かった。PKM2のC末領域は活性型4量体形成に必須なドメインであり、活性調節にメチル化が関与することが示唆された。次に、作成したリコンビナントPKM2のメチル化修飾による活性変化を検証した。野生型PKM2はメチル化修飾を受けることにより、約25%の活性上昇を行うことが分かった。また、メチル化修飾を受けるアルギニン残基3か所に変異を導入したPKM2では、メチル化処理による活性上昇は見られなくなった。また、メチル化PKM2特異的抗体の作成を行い、細胞内におけるメチル化PKM2の検出を試みたが、良い抗体ができなかったため、検出することができなかった。 本研究結果から、PKM2がin vitroにおいてメチル化修飾を受けると活性の上昇が起こるデータを示すことができた。しかしながら、どのような機構で活性上昇が起こるのかはまだ検証段階である。
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