研究概要 |
近年の研究から,イネの収量ポテンシャルの向上のためには水管理と品種,そしてそれらの相互作用が収量形成過程に及ぼす影響を理解することが不可欠であることが明らかになってきた.本研究では多様な遺伝子型の品種を水田と畑で栽培することで以下のことを明らかにした.イネの粒重を支配する要因である籾殻の大きさ,ソース能,シンク活性は全て畑区で高くなり,そのため,粒重は畑栽培によって増大できる.特に生殖成長期後半の水管理が粒重の増大には重要である.また,穎花生産能の高い品種は,シンクソースバランスを崩しやすくなるため,粒重が低下しうるが,旺盛なソース能がそれを補填し,高収量が期待できることが明らかになった.
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